【新唐人2017年12月21日】
アメリカのトランプ政権は18日、同政権として初めての「国家安全保障戦略報告書」を発表しました。報告書は、中国とロシアを米国の繁栄と安全を蝕む主要な脅威と位置づけ、米国は将来経済や地域での影響力など多くの面において、中国とロシアを抑制し、米国の国際社会における影響力の拡大し続けるとしています。
トランプ大統領が発表した初めての国家安全保障戦略は、米国の国家利益を導くもので、米国の変わらない価値観に根差したものです。
報告書では中国について33回触れており、中国政府が情報やデータを社会や公正で自由な経済への抑圧、また、軍事力の拡張に利用していると指摘し、さらに経済的利益による誘惑と軍事力による恫喝を通じて、他国に「独裁体制の特色」を広め、アジアにおける米国の地位に取って代わろうとするなどの一連の行動は、米国の利益と価値観を脅かすものだと指摘しています。
報告書は、中国とロシアを米国の「戦略的競合勢力」と強い口調で名指ししています。
米サウスカロライナ大学教授 謝田氏:「トランプ大統領は、世界の動乱や面倒事の背後には、中国とロシアの影があることを知っているのです。中国は共産主義政権、ロシアは共産主義の残滓です。」
米国の国家利益の支柱の一つとして、「繁栄の維持」を挙げ、経済の安全が国家の安全であると、初めて指摘しています。
さらに、米国は「経済的な侵略」に対して反撃するとも指摘しています。
時事評論家 文昭氏:「トランプ大統領が繁栄と安全は等しく達成すべき原則であると明確に打ち立てたことは、大きな貢献です。繁栄を国家の安全と同等に位置付けたことは、貿易保護主義によって目的を達成させることも厭わない姿勢を表しています。米国は投資と雇用を米国に取り戻すため、全力を挙げて資本面での競争力増強に尽くすでしょう。」
米サウスカロライナ大学教授 謝田氏:「トランプ大統領の一連の方針は、米国経済が以前に比べ、すでに2倍の速度で成長していることに現れています。もし対中貿易に関する新政策と税制改革が実施されれば、米国経済の成長はさらに進むでしょう。強大な米国経済は米国の強大な軍事力の後ろ盾であり、自由社会全体に強大な保障をもたらすものです。」
トランプ政権も価値観の対立に関心を示しています。
報告書は、インド太平洋地域で「自由と圧迫」の2つの世界秩序が地政学的競争を繰り広げているとし、米国は同地域での影響力を拡大し、米台の強い結びつきと防衛協力を維持すべきだとしています。
米サウスカロライナ大学教授 謝田氏:「米台関係や米印関係の強化は中国にとって強大な外圧となります。インド、台湾、さらにアジア太平洋地域の民主主義国家の力を合わせて、共産主義国家に対抗しようとするものです。」
経済や価値観の問題で対立は避けられないものの、トランプ大統領は、今回の国家安全保障戦略は「原則を有する現実主義」を基本としているとしています。また、北朝鮮の核問題で、米国は中国と協力する必要があるとも指摘しており、同戦略をどう実行可能な政策にするかが注目されます。
時事評論家 文昭氏:「繁栄と安全という2つの目標をどう結び付け、どう実施していくか、今後の行動に注目しています。」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/12/20/a1355707.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)